突然の呼び出し
午前5時30分。外はまだ暗く静まり返っていた。
その静けさを破るように、枕元のスマホが鳴った。画面に表示されたのは「サニーちゃん」の名であった。
「何かあったのか」と慌てて応答すると、サニーちゃんのか細い声が返ってきた。
「ごめんね、朝早く。膝がまた痛くてたまらなくなっちゃったの」
一瞬で眠気は消えた。
「分かった。病院に行こう」そう返事をしたが、すぐに思い出した。いつもの整形外科は本日、臨時休診である。
すぐにネットで検索を始め、少し離れた場所にある土曜日も診療している整形外科を見つけた。
イチ君とともに、急いでサニーちゃんのもとへ向かうことにした。
静かな訴え
到着すると、サニーちゃんはベッドで横になっていた。表情には苦痛と疲労が滲んでいた。
「痛くて昨日は眠れなかったの」
その声には、痛みだけでなく不安や孤独もにじんでいた。
「これから病院に連れていくからね」と声をかけ、すぐに出発した。
病院に着くと、予想どおり混み合っており、待合室には座る場所すらなかった。
「これは2時間以上は待つことになる」と察し、イチ君にはやや近くにある彼の実家で待機してもらうことにした。自分はサニーちゃんと一緒に待合室で待機だ。
私は黙ってサニーちゃんの膝をさすり続けた。やがて彼女は安心したように目を閉じ、うとうとし始めた。
その姿を見て、私は思った。
「せっかく良くなってきていたのに。なかなか安心できないなぁ。」と。
つづく
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