物取られ妄想〜通帳・その3

事件

どうやらサニーちゃん(母)は、私とは違う世界がみえているらしい。サニーちゃんが体験(?)したことをお話ししてもらうことにした。

サニーちゃんの告白
買い物へ向かう車の中、サニーちゃんがポツリと語り始めた。
「あたしもね、正直に言うわね。相談できる友だちがいないの。
だから、大事なものをいろいろ隠してたのよ」。
「そうか。隠してること、全然気づかなかったよ」と驚くと、
「うん、気づかれないようにしてたの」とサニーちゃんは笑うような、照れたような声で返してきた。

猜疑心
少し間をおいてサニーちゃんが言った。「あたし、オネちゃんに言われて、あんたが家の中を探してると思ってたのよ。もう、相続のことでコソコソしないで」
と責められたので、私は「してないよ」と否定した。
すると「でも、ノートに書いてあったのよ!」とサニーちゃんは声を強めた。
その“ノート”とは、サニーちゃんが大事なことをメモしていたものだったらしい。
「あんたがビリビリにしちゃったんでしょ?」と疑われて、私は戸惑うばかり。

わたし
わたし

それは知らないなぁ。サニーちゃん、家計簿か何かつけてたの?

「そんなのじゃないの。火災保険のことも書いてあったのよ。名義を書き換えようとしてたでしょ?」と真剣な表情で言ってきた。
「いや、火災保険の支払いはママの口座から引き落とされてるはずだよ」と伝えると、
「あ、そう。なら安心した」と少しホッとした様子を見せた。
チグハグな会話が続いたが、サニーちゃんの心はどこか落ち着いているように見えた。

山場は超えた?
買い物を終えて家に戻り、少しお茶を飲んで休んでいると、サニーちゃんはすっかり落ち着いた様子。
こちらも疲れていたので、自宅へ帰ることにした。
玄関先で、サニーちゃんが言った。
「〇〇おばちゃんから梨が届いたのよ。オネちゃんにお詫びがてら渡してきて」
「うん、そうするね。オネちゃんとサニーちゃんの2人に迷惑かけてごめんね」と伝えると、
サニーちゃんは「もういいよ」と優しく笑った。
                            後日談〜ネネちゃんとの会話へつづく

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