はじめに:医療保険と違う!介護保険は自動更新されない
「介護保険は一度取得したら終わり」ではありません。有効期間は原則1年間で、毎年更新手続きが必要となります。
私は正直、医療保険の感覚で自動更新されるだろうと勘違いしていました。しかし、有効期間を過ぎてしまうと介護サービスが利用できなくなってしまいます
【認定の有効期間】
■新規、変更申請:原則6ヶ月(状態に応じ3~12ヶ月まで設定)
■更新申請:原則12ヶ月(状態に応じ3~48ヶ月まで設定)※有効期間を経過すると介護サービスが利用できないので、有効期間満了までに認定の更新申請が必要となります。
※身体の状態に変化が生じたときは、有効期間の途中でも、要介護認定の変更の申請をすることができます。
(出典)「厚生労働省 介護保険 サービス利用までの流れ」より
我が家の場合は初回から1年間有効の介護保険者証明をいただいていました。あっという間だったような、まだ一年かぁというような、なんとも感慨深い気持ちで更新の時期を迎えたのです。
1. 介護保険更新手続きの全体像とケアマネさんのサポート
介護保険の更新手続きは、一般的に次の流れで進みます。
| 介護保険更新手続きの流れ |
| 1. 要介護認定更新申請書を提出 |
| 2. 要介護認定調査を受ける |
| 3. かかりつけ医が主治医意見書を作成する |
| 4. 介護認定審査会で要介護度認定を行う |
| 5. 自宅に新しい介護保険被保険者証が届く (出典)「1963年創業ヤマシタの介護用品・福祉用具紹介サイト ヤマシタ すぐきた」より |
先日、我が家のケアマネさんから「更新の時期が来ました」とお電話をいただきました。正直、「また病院に行って先生に意見書を書いていただかなくてはいけないのか」と、少し面倒に思ってしまったのですが…。
なんと、ケアマネさんが全ての更新手続きを行なってくださるとのこと! 私たち家族は、毎月の訪問を受けるだけでよいと聞き、心底感謝の気持ちでいっぱいになりました。(ただし、この日の訪問が「認定調査」となります)
2. 認定調査で親がプライドを見せた日
認定調査当日、サニーちゃん(母)はいつも通り、生活面やデイサービスでの小さな不満を次から次へとおしゃべりし続けました。サニーちゃんはケアマネさんに心を許していて、普段言えないことも話します。
ひと通り話し終わったところで、ケアマネさんは上手に会話を引き継ぎ、肝心な介護保険の更新について説明してくれました。
そして、「それでは、これから当たり前のことを聞いてしまうのですが、お気を悪くなさらないでくださいね」と断りを入れてから、サニーちゃんの自尊心を傷つけないよう配慮した質問をされました。
認定調査で聞かれたごく簡単な質問(本人への配慮あり)
- 名前
- 生年月日
- 椅子からの立ち上がりやすさ
※本来は「ベッドでの寝返りや起き上がり」などの動作確認もありますが、サニーちゃんが「寝室の掃除をしてないからイヤ」と拒否したため、強要せずに見送られました。
3. 【神対応】プライドの高い親を傷つけないケアマネさんのアイデア
一連の質問を終えたあと、ケアマネさんが私にこう話されました。
「わたし、今回今月の利用計画表をお持ちするのを忘れてしまったので、後ほどお持ちしてもいいかしら?今日はジムに行かれる日ですよね。もし、いらっしゃらなかったらポストに入れておきますね」
この一言こそ、ケアマネさんの素晴らしいアイデアと心遣いだったのです!
プライドが高く、認知症であることを決して受け入れていないサニーのために、サニーちゃんがいない間にもう一度訪問して、私から実際の状況を聞こうという心遣いだったわけです。
私は本当に「ああ、この方がケアマネさんでよかった」と心からそう思いました。ケアマネさんも、サニーちゃんにとって嫌な質問をしたり、信頼関係を壊すようなことをするわけにはいかないと感じておられたそうです。
4. 家族がこっそり伝えるべきサニーちゃんの「現状」
いつも訪問日には同席していますが、サニーちゃんのための時間なので私はほとんど喋らずにいます。この短い「別訪問」の時間で、私はサニーちゃんの現状を正直にケアマネさんにお話しすることができ、私も安心しました。
本人の前で言いにくいが、介護度認定に必要な情報
- 何度か物取られ妄想が出ていること
- 被害者妄想が強いこと
- 歩ける時と歩けなくなる時があること。(甘えなのか脳からきているのか演技なのかわからない、という現状を伝える)
まとめ:専門家の心遣いが介護生活を支える
その後、無事に介護保険適用の通知をいただけました。新しい介護保険証が手元に届くのは、初回よりも早かったように思います。
介護保険の更新は、本人にとって現在の状態を突きつけられるようで、非常にデリケートな問題です。特にプライドの高い方や認知症の方の場合、本人の前では言えない「真の困りごと」(介護者にとって)を家族がケアマネさんなどの専門家と共有することが、適切な介護サービスを受けるための鍵だと痛感しました。
さぁ、いよいよ介護生活2年目が始まります。これからも色々な方のお力添えを借りながら、乗り越えていこうと思います。

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