前向きな母と、介護者の葛藤
我が家のサニーちゃん(母)は、自分の記憶が途切れることを自覚しているのでしょう。先日、市民講座の「認知症予防講座」に自分で申し込んできました。抽選に当たると「認知症にならないように、勉強してくるわ」と前向きな様子。その姿に「えらいなぁ」と思うと同時に、私は胸が締め付けられました。
そして、もう一つの心配事。「どうやって通わせよう?」
私は週に2回仕事を休んで母をサポートしています。これ以上休みをもらうのは、パートとはいえ気が引けます。そこで、「自分で決めたことだし、タクシーを使ってもらおう」と考えました。
「あんたの指図は受けない」タクシーを拒否する母
私はサニーちゃんに、膝への負担を考えタクシーを使うように勧めました。すると、案の定の反応が返ってきました。
「そんなのあんたの指図は受けないわよ。公民館までなんて歩いていけるわよ。タクシーなんて使ったら笑われるわ」
「笑う人なんかいないよ。また足が痛くなったら病院に通わなきゃいけないよ」
今振り返ると、私は完全に「説得」しようとしていましたね😁
サニーちゃんの中には、父とよく歩いた公民館までの「近い」という記憶が残っています。また、「タクシーは贅沢品」という強い思い込みから、「近所の人に見られたら恥ずかしい」というムラ意識のようなものがあるようです。一方で、私が「送って行くよ」と言えば「お願いね」と素直に答えるでしょう。結局、タクシー代が高いという意識が根底にあるのです。
高齢者の「移動」はなぜこんなに難しいのか
この一件を通して、私は高齢者の交通問題について深く考えさせられました。
高齢者になると運転免許の返納が推奨されます。私もこの意見に賛成です。しかし、車がなくなった後、誰がその「移動」という部分を補うのか、という課題が見逃されているように感じます。
高齢者だって、自由に外出したいのです。ですが、タクシーアプリはスマホを使いこなせない人にはハードルが高く、バス停がない地域ではバスチケットも意味がありません。
思うのは、半年2万円程度のバスチケットがあるように、気軽に使えるタクシーチケットやタクシー・バス乗車チケットのような制度があったら、どれだけ助かるだろうかということ。障害者手帳をもらうほどではないけれど足が不自由な高齢者でも購入できる仕組みがあれば、タクシーに乗るハードルも下がるのではないでしょうか。
あなたの地域ではどうですか?
もしかしたら、もう始まっている地域もあるかもしれません。みなさんの地域では、高齢者の交通手段についてどうなっていますか?ぜひ、あなたの地域での交通事情を教えてください。
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