認知症の母からの手紙「ありがとう、優しいね。こわいこわい、すごくこわい」

日々のこと

オネちゃん(姉)と私で交代しながら、サニーちゃん(母)の夕飯を担当するようになってしばらくが経つ。作り置きした料理は、タッパーに入れて中身がわかるように大きな字でメモを貼っていた。

ところが先日、冷蔵庫の中がやけに渋滞していることに気づいた。もしかして、きちんと食べていないのか?と思いサニーちゃんに尋ねてみると、「食べているけれど、量が多すぎて食べきれないのよ」との答えだった。普段は私と変わらないくらい食べるサニーちゃんだが、「もう少し分量を減らした方がいいか」と考えた。

と同時に、ふとこんな疑問が頭をよぎった。「もしかして、どれを食べていいのか分からなくなっているのではないか?」

そこで、タッパーにメモを貼るだけでなく、「○月○日は〇〇(料理名)」という夕飯のスケジュールを紙に書いて、冷蔵庫の扉に貼ってみた。


母からの衝撃的なメッセージ

数日後、実家を訪れて冷蔵庫の扉を見ると、私が貼ったメモの下に、サニーちゃんの文字でこう書かれていた。

「ありがとう。優しいね。こわいこわい。すごくこわい」

この言葉を目にした時、胸が締め付けられるようであった。おそらく、記憶があやふやになっていくことに対する、本人の計り知れない恐怖を「こわい」と表現しているのだろうと、心が痛んだ。

忘れていく自分に気づく自分――。想像するだけで、どれほど不安で、どれほど怖いだろうかと思う。

認知症の人は、私たちには計り知れない、そんな大きな恐怖と日々戦っているのだ。その強さには、ただただ頭が下がる。私も、彼女のように強くありたいと願う。

そして、これからもサニーちゃんに寄り添って支えて行こうと思う。

ここまで、お読みくださりありがとうございました。

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