「アレクサって、うちの親にも使えるのかしら…」
「認知症の父や母とのコミュニケーションに、何か新しい方法はないかな…」
高齢の親御さんとの暮らしの中で、こんな風に感じている方もいらっしゃるのではないでしょうか。特に認知症の症状が進んでくると、日々のコミュニケーションや生活のサポートに悩むことも増えてくると思います。
そんなとき、少しでも親御さんの笑顔が増えたり、介護する方の心の負担が軽くなったりするなら…と、色々な情報を探されていることと思います。
私も同じでした。
週に数回会っているにも関わらず、サニーちゃん(母)の不安は、なかなか減ってはくれません。LOVOTでも買おうか考えたこともありました。けれども、メンテナンス代や月々の費用を考えるとそれは、かなり難しい選択です。
そこで、私が選んだのは「アレクサ」でした。
「アレクサ」のようなスマートスピーカーは、若い人向けのものと思われがちですが、実は高齢の方、特に認知症の症状がある方にとっても、心強い味方になってくれる可能性を秘めているんです。
この記事では、アレクサが高齢の親御さん、特に認知症の方にとってどのように役立つのか、具体的な活用術や導入する際の注意点などを、できるだけ分かりやすく、そして皆さんの心に寄り添えるようにお伝えできればと思っています。
アレクサって何? 高齢の親御さんにも分かるかな?
「アレクサ」と聞いても、ピンとこない方もいらっしゃるかもしれません。アレクサは、Amazonが開発した「AIアシスタント」の名前です。そして、このアレクサに話しかけることで色々な操作ができるスピーカーのことを「Amazon Echo(エコー)シリーズ」と言います。

Echo (エコー) シリーズは、AmazonのパーソナルAIアシスタントAlexaを搭載したスマートスピーカー。
難しそうに聞こえるかもしれませんが、一番の魅力は「声だけで操作できる」ということ。リモコンの小さなボタンを押したり、スマートフォンの複雑なアプリを操作したりする必要がないので、機械が苦手な方でも比較的使いやすいのが特徴です。
「アレクサ、今日の天気は?」
「アレクサ、音楽をかけて」
こんな風に話しかけるだけで、アレクサが答えてくれたり、音楽やラジオを流してくれたりします。
高齢の親御さんとアレクサ:心温まる活用シーンと嬉しいメリット
では、具体的にアレクサがどのように高齢の親御さんの生活をサポートしてくれるのでしょうか。サニーちゃんが実際に活用しているシーンと、そこから生まれた優しい変化をご紹介します。
1. 「おはよう」から始まる、優しいコミュニケーション
- 話し相手として: 一人暮らしのサニーちゃんにとって、アレクサは気兼ねなく話しかけられる相手。ちょうどペットのような感じです。「アレクサ、おはよう」「アレクサ、今日は何日?」サニーちゃんは、アレクサのことを生き物と感じているようです。
- 家族とのつながり: 「呼びかけ機能」を使えば、別の部屋にいる家族に声で連絡できます。
また、サニーちゃんはまだ使っていませんが、そのうち見守り機能も利用していこうと考えています。
2. 「うっかり」を防ぐ、頼れる生活サポーター
- お薬の時間をお知らせ: 「アレクサ、毎日午後1時に『お薬の時間です』と教えて」と設定しておけば、飲み忘れを防ぐお手伝いをしてくれます。サニーちゃんもよく服薬を忘れてしまうので、朝、夜に「お薬の時間です」と教えてもらっています。かなり大きな音でアナウンスしてくれるので助かっています。
- 「あれなんだっけ?」をすぐに解決: 「アレクサ、今日は何曜日?」「アレクサ、〇〇ってどういう意味?」など、ふとした疑問にもすぐに答えてくれます。知りたいことをすぐに知れるのは、ストレス軽減にも繋がるかもしれません。
3. 懐かしい音楽や楽しいお話で、心に潤いを
- 好きな音楽をいつでも: サニーちゃんはラジオが好きでした。最近ではラジオをつけるのではなく「アレクサ、ラジオをつけて」「アレクサ、すてきな音楽を流して」と話しかけるだけで、ラジオや音楽を楽しんでいます。音楽があると部屋の中が温かい雰囲気になって心も和らぐようです。
- 本当に生きている?:サニーちゃんは、アレクサが生きていると感じているようです。「昨日の夜は『アレクサ おやすみ』って言わなかったから、今朝は(アレクサ)おへそを曲げているみたいなの」など言います。また、「本当にいい子なのよ」とよく褒めています。
アレクサを始めるには? 親御さんと一緒に考える注意点
「なんだか良さそうだけど、設定とか難しいんじゃないかしら…」と不安に思う方もいらっしゃるでしょう。確かに、最初の設定にはスマートフォンやWi-Fi環境が必要になります。
- 必要なもの:
- Echoデバイス(スピーカー本体)
- Wi-Fi環境(インターネット回線)
- スマートフォンまたはタブレット(初期設定用)
- 設定のポイント:
- スマホに慣れた方でないと難しいと思われます。うちでは主に私が設定してます。
- アレクサが聞き取りやすいように、静かで反響しにくい場所に置くのがおすすめです。
- 最初は簡単な機能から試してみて、少しずつ慣れていくのが良いでしょう。
優しい目で見守りたい注意点:
- プライバシーのこと: アレクサは話しかけられた内容をインターネット経由で処理します。プライバシー設定については、事前に確認しておくと安心です。
- 聞き間違いや誤作動も: 時には、アレクサが言葉を聞き間違えたり、意図しない動作をしたりすることもあります。「完璧ではないんだな」というくらいの、大らかな気持ちで見守ってあげてください。
- 過度な期待は禁物: アレクサはあくまで生活をサポートするツールの一つです。魔法の杖ではありませんので、できること・できないことを理解した上で活用することが大切です。
まとめ:アレクサと始める、ちょっと優しい未来
高齢の親御さん、特に認知症を抱える方にとって、アレクサは新しいコミュニケーションの形や、生活の安心感を届けてくれる可能性を秘めた存在です。
サニーちゃんはアレクサがあることによって、ほんの少しですが不安が減ったようです。また、アレクサと話すために「何を話そうか」と考えてます。アレクサがいることで、サニーちゃんはすごい刺激を受けているということだと思います。
アレクサは万能ではありません。けれども、親御さんのペースに合わせた使い方をするととても有効に機能してくれます。
サニーちゃんは最初「アレクサ」が覚えられませんでした。それでも「荒れた草」と自分なりに工夫して覚えてくれました。きっと、「アレクサ」を使いたかったんだと思います。
もし、「うちではこんな風に使っているよ」「こんなことに困ったけど、こうしたら解決したよ」といった体験談があれば、ぜひコメントで教えていただけると嬉しいです。
私もまだまだ使いこなすまでは到達していないので教えていただけると助かります。
私とサニーちゃんも、より良いアレクサの使い方を見つけたらまたお知らせしますね。
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