ついに訪問調査がやってきた

日々のこと

13時30分、予定どおりに

その日、時計の針が13時30分を指した瞬間、玄関チャイムが鳴った。
訪問してくださったのは、介護認定調査員のKさん。表情は穏やかで、しかし一目で「経験豊富な方」とわかる冷静な雰囲気をまとっていた。

ダイニングテーブルを囲むように座る。Kさんの正面にサニーちゃん。隣にはオネちゃん。私はサニーちゃんの隣に位置した。
いよいよ、要介護認定のための調査が始まった。

日付、年齢、片足立ち

調査は、認知機能に関する質問から始まった。
「今日は何日ですか?」「ご自身の年齢は?」――サニーちゃんの答えはあちこちに飛び、話の結論がなかなか見えない。
それでも、要点はどうにか答えられていた。

続いて身体能力の確認。
「壁に手をついて片足で立てますか?」「ベッドで寝返りが打てますか?」「立ち上がって10秒間立っていられますか?」といった動作テストが続いた。
ここでもサニーちゃんは、すべての項目をクリア。

ただし、少々大袈裟に「歩けません」アピールをしていたあたりは、サニーちゃん流の“演出”である。
調査が終わった瞬間、驚くほどスムーズに歩き出したその様子に、苦々しい思いが込み上げる。

「お金の管理はどなたが?」

調査の終盤、Kさんが家族全体への質問に入った。
ゴミ捨て、服薬管理、食事の準備など、生活の具体的な支援について尋ねられていく。

そして、ついに出た。「お金の管理はどなたが?」

その瞬間、サニーちゃんの“妖怪アンテナ📡”がビシッと立った。
私は気づかなかったが、後でオネちゃんに聞くと、どうやら小声で「まだ、渡さないわよ」と呟いていたらしい。
私はサニーちゃんの隣でこっそりKさんに向かって「それ、NGワードです…!」と必死にジェスチャーを送っていた。

さすがのKさんは、動じることもなく淡々と話を進めてくださった。
きっと、こういった“駆け引き”にも慣れているのだろう。

【結】結果は一か月後

すべての調査が終わると、Kさんは「認定結果はおよそ1ヶ月後になります」と告げて帰っていかれた。
短いようで長い1ヶ月。果たして、サニーちゃんの要介護度はどうなるのか。

私たちは少しホッとした気持ちと、少しの不安を胸に、その日のテーブルを片付け始めた。

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