サニーちゃんのMRI検査に付き添った。暗い検査室には一人で入り、私たちは外で見守るしかなかった。検査後、診察室へ呼ばれると、モニターには脳の画像がずらり。M先生の説明が始まろうとしていた。
告げられた診断〜脳の中に映るもの
M先生は、画像を指し示しながら説明を始めた。
「視床下部と呼ばれる部分に、小さな脳梗塞がいくつも見られます。でも、記憶を司る海馬の萎縮はそれほど顕著ではありません」
そして、はっきりとこう続けた。
「診断は……血管性認知症です」
その言葉を聞いたとき、私の中では「やはりそうか」と静かに腑に落ちる感覚があった。しかし、サニーちゃんはどこか遠いところを見ているような表情をしていた。
サニーちゃんの一言
たくさん並んだ自身の脳の写真を見つめながら、サニーちゃんがふいに聞いた。
「先生、これを見て……どこか褒めるところ、ありますか?」
その言葉に、思わず私とオネちゃんは息を飲んだ。そしてM先生は少し間を置き、破顔した。
「わははは、そうだよねぇ。うん、よく頑張っていると思いますよ」
そのやりとりに、私とオネちゃんもつられて笑ってしまった。
緊張感の中に、少しだけ希望のようなものが差し込んだ瞬間だった。
新たな一歩へ
この診断を受け、私たちの気持ちは固まった。
「脳の方で介護申請を進めよう」
診察が終わったその日のうちに、地域包括支援センターの助川さんに連絡を取り、
申請書に主治医としてM先生の名前を記入することを伝えた。
目に見えない不安が少しずつ形を持ち、対応へと動き出した日。
サニーちゃんのユーモアと、先生のあたたかな受け答えに、
私たちは少しだけ前向きな気持ちで病院を後にした。
💐 オネちゃんと私がサニーちゃんの手を握っているからね。
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