これ以上先延ばしてはダメだ。とりあえず地域包括支援センターに相談しよう。
ようやく自分の背中を押した。
介護認定を受けるには、居住地の地域包括支援センターにて申請手続きを行う必要があることをご存知だろうか。私たち家族のようなケースにおいて、どのような対応が最適なのか知るために、まずは相談に出向くこととした。
この日は朝早く、オネちゃんと待ち合わせをし、二人で地域包括センターの扉を開いた。正直、緊張していた。「どんな場所なのか」「きちんと話せるだろうか」
中に入ると、数名の職員がデスクで業務にあたっていた。その中の一人、助川さん(仮名)が立ち上がり、「こんにちは」と笑顔で挨拶してくれた。その瞬間、張り詰めていた空気が少し和らいだ。「ああ、この人がいてくれてよかった」と思えた。オネちゃんも「この人が担当さんになってくれたらいいね」とそっと私に告げた。
助川さんに個室へ案内され、着席後すぐにオネちゃんが口を開いた。サニーちゃんの現状について、丁寧に説明してくれた。
最近、通帳がなくなったと私たちを疑うようになったこと。もともと頑固な面があり、人の話を聞かないことがあったが、近頃はそれが顕著になってきたこと。そして、今は膝の痛みがひどく、歩行も困難であること
また、本人も自身の変化に気づいており、不安を抱えている様子がある。だからこそ、介護保険制度を利用し、安心して暮らせる環境を整えたいと私たちは考えている――そう思いを伝えた。
助川さんは静かに頷きながら話を聞いた後、こう返してくれた。
「お一人暮らしとのことですが、現在は自立して生活されているという点から、すぐに介護認定を受けるのは難しいかもしれません。ただし、膝の状態についてかかりつけ医の診断書があれば、申請が通る可能性はあります」
そう言って、介護保険の申請書を手渡してくれた。
一つの山を乗り越えたなと安心した。介護認定がとれるのか、介護認定を取得するのがいいことなのか、今はまだわからない。しかし、こうして一歩を踏み出したことが、確かな前進であると信じている。
次は、医師の診断を受ける準備を進める予定である。小さな一歩であるが、前に進む手応えを確かに感じた一日であった。
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