この記事では、認知症状の1つ「物取られ妄想」の症状が表面化したサニーちゃん(母)にどのように対応したかをお伝えしています。
はじめに
「ウチの親も、そろそろ介護が始まるのかな?」──そんなことをふと考える今日この頃。物忘れはあるものの、まだ一人で生活しているし、週に3回はジムにも通っている。元気そうだから、まだもう少しは大丈夫かな……そう思っていた矢先のことだった。
姉からの電話
ある日、仕事中に姉から突然の電話。「大変、大変!サニーちゃん(母)から電話が来て、通帳や謄本がなくなったって。しかも私たち姉妹がグルになって盗ったって疑ってる!」と動揺した声。私は驚きつつも、「わかった。帰ったらサニーちゃんに電話してみる」と答えた。けれど内心では、「有名な”物取られ妄想”が来たっ!」と、ショックというより感心してしまっていた。
親子写真撮影会
さらに困ったのは、ちょうど東京FM主催の軽度認知症イベントの親子写真撮影会に当選したばかりだったこと。まさに認知症について話し合う良い機会だったのに、今の状態は誘える雰囲気ではない。「これは無理かな……」と半ば諦めながらも、仕事をしている間は考える余裕もなかった。帰宅後、気を取り直してサニーちゃんに電話をかけた。「明日は土曜日だから、一緒に通帳を探そうよ」と言うと「呑気ね。自分で探すから来ないでちょうだい」とピシャリ。「でもさ、一緒に探したほうが楽だよ」と明るい口調で話す私に「来ないで!」とサニーちゃんは強い口調で断り、電話は切れてしまった。
取り付く島は作れ
すぐにでも実家に駆けつけようと思ったけれど、興奮している状態のサニーちゃんに会いに行っても、話がこじれるだけと判断した。だけど「明日、必ず行こう」と心に決めた。
──これが、私にとって“介護始まりの日”だった。
後編に続く
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